一匹狼の群れ

どうも、ダニーデヴィートです。

 

雪国鳥取、今年は全く降らないです。

茶店のTVで流れてた"東京雪です!"というニュースを観ていたおばはんが「都会の人はちょっと降っただけでスッテンコロリン!田舎者をバカにするくせに自然にホント弱いのよ。このニュースを毎年観るのが私の大都会への復讐よ!」と言ってて、世の中には色んな復讐があるもんだなぁと思いました。

 

でも雪は降らずとも冬はやはり寒い。

そんな2月に半袖で汗だぐになった夜が心斎橋STOMPで開催されたSOLOISTでした。

 

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SOLOISTがどういった内容かはこないだの記事に書いたので省略します。

 

なにから書いたらいいのか凄く悩むなぁ。

本当に美味い飯を食ったとき人は言葉が出ないというけど、それに近いのかも。

 

16年間ラップやってきて、自分でも無意識に張り続けた伏線を全て回収したような。

 

アクトは6人のみ。

DJ KEN、日高大地asだーひー、Krazy、KZ、ふぁんく、そして俺。

 

トップバッターはだーひー。

 

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去年の年末のUMBで始めて観て、恐らくあの日1番のダークホースだった。誰もがよく聴こえる真っ直ぐなリリックでバサバサ斬るバトルを観て、どんなLIVEするんだろうなぁって考えてたら共演することができました。

 

自分で自分のスタイルをポエトリーリーディングと謳ってたけど、すんません、知識不足なもんでそれが厳密にどんなものなのかはわかりません。ビートに載せた詩に近いのかな?

 

会って、話してみて、まだ19歳だというのに凄く落ち着いてて大人っぽい印象で。

ほんでLIVE。盛り上がれより聴いてくれ。そんなステージだった。

 

バトル同様に滑舌もよく、はっきりリリックが聴こえるから気持ちよくフロアで聴いてた。

鍵っ子だった孤独や、恐らく亡くなったであろう親友に向けた曲を聴いて、あの若さであの落ち着きの理由が少しわかった気がした。

 

楽屋に置いてたピカピカでかっこいいNIKEのバッグについて尋ねたら『ソックス買いに友達とスポーツ店に行って、このバッグいいなぁって言ってたら誕生日にその友達がくれたんですよ』と、はにかみながら嬉しそうに言ってて、その時は等身大の19歳の顔してた。

 

次の日にMVを撮影して帰るって言ってて。

若いのにすごいしっかりしてて音楽に真面目で刺激受けました。

 

だーひー、また会おう。

バッグ白だったし、よぉ磨いてくれ。

 

そして2番手はK-razy。

 

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バトルの印象が強かったけど、めちゃくちゃラップが上手かった。凄いRhymeを何個か繰り出してたし。

 

上物だけの音、しかもリズムがとりにくいビートに乗ってないような上物だけの音に合わせてRhymeしまくって、その後バーン!とビートに着地したときはスゲェなと思った。

 

若いのに1曲目に使ってたinstがPitch Blackだったし。

 

俺のLIVEのとき、まだリリースしてない新曲にめっちゃリリックかぶせて歌ってくれててなんでなん!?と思って後で聞いたら『UMBのアカウントで上がってたインスタのLIVE動画ずっと観てたんです!』と言ってて、あのRhymeも含め、あぁ純粋な度ラップジャンキーなんだと理解した。

 

ありがとう、K-razy。嬉しかったよ。

大阪の若きエミネムになってください。

 

そして次は主催者KZ。

 

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マイクスタンドを使い、笑顔というか笑いかけるような表情で歌う姿がKZらしかった。

 

KZのラップの発声法、好きなんですよ。

バイトの優しい先輩が休憩時間に話聞いてくれるときみたいなトーンというか。優しいんですよ。

 

チルでもなく癒しでもなく"安心させてくれる"ラップなんですよね。

KZのキャッチフレーズ『Your Friend KZ』まさにその通りだと思う。

 

ありがとうKZ。俺もお前の友達だ。

 

そして次にふぁんく。こっから60分。

 

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自分と同じ匂いがするような気がしてたけど、それは確信に変わりました。

 

よく"ギャグラップ"って言葉を聞くけど、俺の考えではラップがヘタなやつのことをそう言うんだと思う。ヘタだから笑かしの部分が目につくのかなと。

 

でもふぁんくのラップはめちゃくちゃ上手い。

ラッパーだからこそわかる旨さが全編に散りばめられてて、なんなら感動した。Rhymeだけじゃなく言葉遊びも凄かった。

 

ギャグラップじゃなくて"ユーモアラップ"と今命名しよう。『タバコやめたい』って曲が耳から離れんわ。

 

あと奥様が凄く綺麗なレゲエダンサーでおまけにめちゃくちゃいい子だった。よっモテるデブ代表!(ちなみに奥様は毎年開催されているワイニークラッシュの去年のクイーンでもある)

 

そして俺とMS。

ふぁんくのLIVEで演者スイッチに火がついた。

 

KZの言葉に甘えてけっきょく75分もLIVEしてしまった。45分で曲組んだから大丈夫かと思ったんだけどな。てことは30分も喋ってたことになるのか。

 

でもステージから見る限りフロアから去る人もいなかったし、楽しんでもらえたのならよかった(すまんKZ)

 

今回のLIVEは哲学を取り入れ"時空を越える"というテーマ。実際はクソしょうもないもんでしたが。

 

最後にKZが全ラッパーの気持ちを代弁した素晴らしいシャウトのおかげもあり、嬉しいことに物販のCDも完売。

 

始まりから終わりまで本当に気持ちのいい時間でした。

 

どうやらKZのイベントとSTOMPとの相性がすこぶるいいみたい。ホームに近い空気感を感じれました。

 

楽屋でも打ち上げでもKZとふぁんくと映画のマニアックな話ずっとしてて、楽しかったし落ち着かせてもらいました。なかなか踏み込んだ映画の話ができるやつが地元にあんまいないから話に熱がこもったなぁ。

 

全員ではないけど梅田サイファーのメンバーも来てて打ち上げで一緒に飯食ったけど皆キャラ最高だしGoodguyだし楽しかったっす。

 

俺を信じて呼んでくれたKZはじめ、あの日の全ての出演者とお客さんにありがとうございました。また必ずあの場所で会いましょう。

 

P.S

 

ふぁんくがLIVEで言ってた。

『自分を卑下してたら楽。disられることもない。でも気付いた、楽しくない』

 

すごくわかる気がした。

俺も昔一匹狼の自分に酔ってる頃があった。

 

LIVEを誰よりブチかまして喰らわして、ステージ降りたら話しかけんなオーラ全開に出してた。それがかっこいいと思ってた。人見知りな性格を悪いほうにこじらせてた。

 

長い年月はかかったけど、やっぱ、皆で味わう楽しい時間こそが最強だと気がついた。

 

でも深く根付いたものは全部塗り替えることはできないし媚を売るつもりもないし。

 

だから、一匹狼でもいいじゃないか、だけど一匹狼だって群れになりたいときもあるし、なったらいいじゃないか。朝が来たらまたそれぞれの森に帰って、またいつか群れになればいいじゃないか。それでいいじゃないか。

 

2019 2.10 大阪

ありのままの自分を愛せるような旅でした。

 

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ありがとう皆、また逢いましょう。

 

UDEPUSSY